治療法の選択は自由だが家族に迷惑をかけないように [健康]
50代男性の葬儀で遺族が涙ながらに亡くなるまでの経緯を話していました。がんで亡くなったのですが、発見時は初期だったため、とても亡くなるとは思わなかった。初期なので簡単に治ると思い、薬物や放射線治療の副作用を本人が嫌がり、副作用のない「○○菜食」という治療法に取り組んだ。当初はこのまま治るのではないかと思えるくらい元気だったが、半年くらい経った頃に急激に体調が悪化して、病院で診察して貰うと既に末期がんになっていた。その治療法が間違いだと分かったが、時すでに遅く手の施しようがなかったと非常に悔しがっていました。
その方法は現在インターネット上では単なる健康法として扱われているようですが、当時は先進医療の弊害を指摘して、肉や魚を食べず玄米や野菜だけを食べると体質が改善され、自分の免疫力がアップし、がん細胞を駆除できると言っていました。副作用がなく末期がんでも治る素晴らしい治療法だと実例を挙げていたので、藁をもすがる思いで信じた人も多いのではないかと思います。
それから半年くらい経った時に私の周りでまた同じようなことがありました。70代の男性で、がんを初期に発見できたのに同じように薬物や放射線治療の副作用を嫌がり、同じ治療法に取組み同じように1年くらいで亡くなりました。
その人の場合はがんになった本人が亡くなる2ヶ月前に、看病疲れから奥さんが庭で倒れて本人より先に亡くなったため、遺族の悲嘆は目に余るものがありました。
初期のガンで普通に治療を受けていれば亡くなる必要のない人が一般的でない治療法を選んだために亡くなったとしても、その治療法を本人が選んだのであれば自己責任だから仕方ないと言えるかもしれませんが、そのために家族が亡くなったのでは仕方ないでは済まないと思います。
がんは早期発見・早期治療が有効といわれており、早期であれば完治する可能性が高いですが、早期でも治療法は安易に考えず有効な治療をするのがいいと思います。一般的でない治療法が全て間違いだとは思いませんが、全ての人に最適であるとは思えないため、メリットとリスクの両方を考えて出来れば先進医療と併せて行うのがいいのではないかと思います。